練習試合へ向けて

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一時間の練習ののち少し休憩を挟む。 「そういえば一つ提案があるんだけど……」 「なんだよ提案って?」 「いやまぁお前の持ち球ってフォークだけじゃん。もう一つ変化球覚えてみないか?」 「変化球かー。だけどなんで?」 「お前の140km超えのストレートは1年にしては上出来すぎるっつうか怪物級だし、フォークもいいんだけど、フォークは腕に負担かかるからあまり投げさせたくない。それに高校野球は中学と違って9回まであるからな」 「じゃあストレートばっか投げりゃいいじゃん」 「あのなあ。そりゃ弱小チームならそれで通じるかもしれないけど、上位のチームに通用するかよ」 「うっ……そりゃそうか。つかちゃんと俺のこと考えてくれてんのね」 嬉しさの表れか表情が少しにこやかになった。 「……っまぁ一応お前の女房役だから……な。っつか早く練習再開すっぞ!」
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