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(……なんだと!?)
坂本は一瞬何が起こったのか分からなかった。ストレートと判断し振りにいったはずが、ボールはど真ん中から坂本から逃げるようにアウトコースへ落ちていった。
「すいませんでした」
やってしまったという表情で戻る坂本に監督が質問をした。
「さっきの球は?」
「……たぶん、スクリューっす。それもかなりキレのある球っす」
「そうか……捉えられそうか?」
「初見では厳しいかと……右には外に急激に逃げるし、左には内をえぐる感じと思います」
「うむ。まぁとにかく先制点が入って良かった。神岡準備はいいか?」
「もう余裕っすよ! 三者連続三振狙いますよ」
ドカッと神岡に蹴りが入った。
「いってーな。何すんだよ竜二」
「調子に乗るなって言ってんだろうが。相手は仮にも去年ベスト16だぞ」
「へーい」
レガース、プロテクター、マスクを付け、各自守備に散る。
神岡、朝霧バッテリーいざ出陣。
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