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コン、コンとドアをノックする音が鳴った。
「どうぞー」
「あっ失礼します」
部室に入ってきたのは細身で顔立ちが整ったいわゆるイケメンの部類に入るであろう青年であった。
「朝霧竜二(あさぎりりゅうじ)と言います。野球部に入部したいんですが……」
「……ふんっ少し顔がいいからって調子に乗るんじゃねーぞ。顔で野球やるわけじゃねーんだからな!」
「ん?」
部室に入るなりいきなり喧嘩を振られる朝霧だったが気にも止めない様子であった。
「神岡くんはキミに嫉妬してるでやんすよ」
矢部は朝霧に神岡に聞こえるか聞こえないかくらいの声で囁いた。
「おい眼鏡なんか言ったか?」
「……なんでもないでやんすよ」
──これがのちに神岡の女房役となる朝霧竜二との最初の出会いだった──
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