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「良かったぞ。この調子でな」
監督が意気揚々と戻ってくるバッテリーに檄を飛ばす。
「はいっ。ガンガン飛ばしていきますよ!」
「ったく調子乗りやがってコイツ~」
一年の好投に沸き上がる桜ヶ丘ベンチであった。
初回まずは危なげないスタートを切った。
一方湘南サイドでは──
「打てない球じゃないだろう! 一年だからといって手を抜くな」
桜ヶ丘とは反対に高島監督の機嫌は悪かった。
「いや、そういうつもりじゃ……」
「大丈夫っすよ。うちの打線はすぐ取り返しますよ。初回から飛ばしてたらいつかはうちが捉えますから。それに俺も打たれないっすよ」
不適な笑みを浮かべるのはエースの石川だった。
「まぁ見てて下さいよ」
そう言って石川はマウンドへと向かって行った。
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