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｢だからなんで打てないんじゃお前ら！ 相手は一年だぞ｣
監督の怒りは頂点に達しようとしていた。
それもそうだ。無名の一年に未だノーヒットピッチングをされているのだから。
｢大丈夫ですよ。俺が打たれなけりゃ負けませんから｣
｢１点取られたやつが何言ってるんだよ。まぁそれは僕にも責任があるけど。監督、まだ４回ですしチャンスはあります！｣
チャンスをくれと言わんばかりに目をぎらつかせるバッテリー２人。
｢ふん、なら点取って来い──｣
４回桜ヶ丘の攻撃は３番からの好打順。
１アウトから荻原がカーブを掬い上げヒットで出塁するも、坂本、森田が凡退に終わった。
その裏、湘南学園の攻撃。
この回からバッテリーはフォークを織り交ぜる。
縦と横の変化、そしてストレートの組み合わせで湘南学園はまたも３者凡退に終わってしまった。
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