初の練習試合

19/25
前へ
/305ページ
次へ
回は5回表へと突入する。 (そろそろ追加点を取ってやらないとな……スクリューが来るのが分かればいいんだが……) 「7番 キャッチャー朝霧君」 「あす!」 打席には朝霧、2回目の打席だ。 その初球アウトローいっぱいにスクリューが決まり身動きできず。 しかしここで朝霧はあることに気付いた。 (あれ今…? もしかして!?) カウント2ー1と追い込まれてから4球目が投じられた ビュビュッ! キィィン! (なっ!?) 朝霧は狙いすましたかのようにスクリューを狙い打った。 快音がグラウンドに鳴り響く。 ついに石川のスクリューを捕えたのだ。 「すいませんタイムお願いします」 靴ひもを結び直すふりをして、一塁コーチャー宮野に話し掛ける。 「よく聞け。スクリューを投げるときの癖がわかった。ベンチに伝えてくれ──」 「分かったよ──」
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加