初の練習試合

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続く2番真田はきっちり送りバントを決め、2アウト2塁、3塁の場面を作り打順はクリーンナップを迎える。 「3番 レフト高宮君」 「あす」 (ここでランナーを返すのがクリーンナップの役目ってもんだろう…) (!?) 「デッボール!」 石川が投げた初球。 そのカーブがすっぽ抜け高宮の左膝にぶつかった。 (いって~でも塁に出たぜ) 高宮は左膝をさすりながら1塁へと歩く。 2アウト満塁で打席には4番荻原がバッターボックスに向かう。 やはりこういう場面で4番に回るのか。 「タイムお願いします!」 海野がタイムを取り内野陣がマウンドに集まる。 「わりい、手が滑っちまった」 「仕方ないさ。これだけ熱いんだ。それより次の4番……今日もう2本打たれてるから慎重にな」 「あの~ちょっと思ったんすけど。さっきから石川さんのスクリュー狙われてるような……」 「あんっどういう意味だよ?──」
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