夏の始まり

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ここでいつもなら部長の荻原が止めるのだが今日は不在である。 「いい加減にしろお前ら! 見てるこっちがイライラするぜ。部長がいないからって練習さぼんなよ」 荻原に代わり坂本が止めに入った とてもめんどくさそうな表情を浮かべていた。 「すいません……」 「そういや今日なんで部長いないの?」 「抽選会だろ? 松山がついていったはずだ」 朝霧が答える。 「そうだっけ? キャプテンのくじ運ってどうなんだろ?」 と坂本の方に視線を送る。 「うーん、良いような悪いようなって感じだ。去年の夏、前部長に抽選会について行って荻原さんがなぜかクジ引いたらしいんだが……運良くシードを引いたんだよ」 「じゃあいいじゃないっすか」 「待て、話には続きがある。2回戦からになったはいいが、その初戦の相手が横覇魔高校だったんだよ!」 「あ~そりゃついてないっすね。」 「横覇魔高校って?」
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