夏の始まり

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野球初心者の三神が割って入った。強豪校とかその辺の知識は全くない。 「んあ、横覇魔高校っていやぁ名門中の名門だよ。プロにも数多くの選手を送ってる。最近じゃ西部の涌伊とか鳴瀬とかが有名かなぁ」 「じゃあ……かなり強豪なんだね。今年も当たったら……」 それを聞いて少しおじけつく三神。 「まぁさすがに2年連続で横覇魔を引くってことはない……はず」 「でも……仮に今年も初戦が横覇魔だったら面白いな~」 神岡がふとそんなことを言う。 「なんで?」 「だってもし初戦で倒したら一気に有名になるぜ! 桜ヶ丘旋風起こる! みたいな記事とか書かれたりするんだぜ! それから……」 「勝つの前提かよ……」 あまりの阿呆らしさについため息が出てしまう朝霧であった。 「まぁキャプテンが今年はくじ運いいように祈っとこうぜ。さぁ練習すっぞ!」 「はいっ!」 そして練習が再開された──
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