夏の始まり

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「みんなすまん。初戦じゃないけど、勝ち進めば今年も当たってしまうんだ……」 横覇魔と同じブロックになったことで荻原は頭を下げた。 「良かったじゃないすか。どっちにしろいつかは当たるんだし、早く倒せていいじゃないですか」 いったいこの自信がどこから来るのか 部員はみな神岡の発言にポカーンとほうけていた。 「えっなんでなんで? うちが100%負けるっていうのか? やってみないと分からないじゃん。 とあるプロ野球の監督が言ってたぞ『勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし』って」 「まぁ確かにこいつの言うとおりかもっすよ。野球は何があるか分からないゲーム。強豪校だって弱小に負けることありますから」 神岡の肩に腕をかけながら坂本が神岡に賛同する。
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