夏の始まり

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「まず背番号1 神岡悠介!」 「俺が1番……ですか?」 背番号1──それは投手をやるものなら誰もが欲しい番号であろう。 それを1年である神岡が貰い受けた いくら人数が足りないとはいえ神岡にかかるプレッシャーは大きいものだろう。 「ああ。これは荻原からの推薦でもある。1年には重たいかもしれないが期待している」 「はいっ頑張ります!」 受け取った背番号1のユニフォームを大事そうに抱え神岡は席に戻った。 「がんばれよエース!」 声をかけたのは二年生投手秋山だった。 「あっ……はい」 神岡は少し申し訳ないような気持ちで答えた。 「何を遠慮しているんだ。もっと喜べ。俺なんかよりお前の方がふさわしいよ」 「ありがとうございます!」 先輩とはいえライバル。 そんな人から応援された神岡はとても嬉しかった。 神岡はより一層頑張ろうという気持ちになった。
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