夏の始まり

16/23
前へ
/305ページ
次へ
「よーしみんな帰るぞ!」 「へへっ」 突然笑いだす神岡。 なにかおかしなものでも食べたのか。 「どうした神岡?」 「あっいや、いよいよ始まるんだなぁと思って。頑張りましょうね!」 「ああ!」 (もう後戻りはできない。悔いが残らないように頑張るぞ!) 開会式から戻った神岡たちは明日が試合ということもあり、軽めの練習で汗を流していた。 ただ1人を除いて…… バシィィン ミットを叩く小気味よい音がブルペン全体に鳴り響く。 そうその人物とは神岡悠介だ。 「もう今日はあがりにしよう悠介。明日は朝一なんだからな」 「いやもう少し投げたい。スライダーのコントロールがばらつくから──」 確かに今日の神岡の投球はフォークはうまく制球されているものの、スライダーはコントロールがイマイチだったりと苦戦していた。 まぁ修得からわずか2ヶ月しか経っていないので無理もないか。
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加