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自分に投げられた物体を察知した熊は体に当たる前に己の爪でビンを破壊した。
恐るべき反射神経である……が今回はそれが裏目に出たな。
「この匂い……酒?」
「そう、酒だ。ウォッカって言ってアルコール度数が60度もある強い酒だ」
熊の体はビンから飛び散ったウォッカでびしょ濡れ……。
そう、俺がここですることはただひとつ。
「火葬の手間を省かせてやんよ!」
今使える火の魔法で最大級の物を熊公にぶつけてやった。
魔法の火と酒で引火した火。
その両方が熊の体を焼き始めた。
「な……なんのこれしき!」
と、その瞬間熊はその身に炎をまといながら川へ走り出し、水の中へダイブし、水のなかから俺にほえる。
「川があるのを忘れたか!? どうやら今のは貴様の最大の攻撃だったらしいな!」
「いや、川に入る事は想定してあったさ」
むしろ川の中に入れる為に火の魔法を使ったといっても過言ではない。
「冷凍熊肉ひとつ、出荷します!」
川の水を熊ごと凍らせた。
何も無い所から氷を作るのはかなり難しい技であるが、水を凍らせる事はたいして難しくない。
熊サイズが納まるようなデカイ氷でも簡単に作れる。
ただ、難しかったのは熊を川の中に入れる事だけ。
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