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※友達はいないし授業に焦点あてても楽しくないので、話は土曜日の朝8時に移りました。
俺は1時間前からこの河川敷に立っていた。
べっ別に、楽しみとかじゃないんだからね。
あれだ……少女を待たせない紳士の精神だ。
とりあえずあの日から、俺は広域認知魔法を止めた。
まぁその日まで自分のやってる魔法の名前も知らなかったが。
そして、美緒から魔力探知されないお守り的な何かを貸して貰った。
これで、悪い魔法使いやその他もろもろに襲われはしないらしい。
土曜日までは魔法の自主トレしていた。
美緒に貸して貰った『ぼっちでもわかる初級魔法』のおかげでかなり魔法の知識について触れる事が出来た。
15分前。岡山美緒は現れた。
今日の美緒の姿は街を歩けば、全員が振り返るような、軍服姿。
土色のスーツの胸元には二つほどのバッチと帽子の星も光っている。
コスプレと思わせるような完璧なる軍服姿。ある意味ゴスロリより珍しい。
「早いわね、芳樹」
「いや。それより、俺の格好大丈夫か? 美緒は正装してるっぽく見えるが、俺も制服がよかったか?」
俺はまるっきりラフな格好で出て来てしまった。
この前の美緒は私服だったしなにより、今日は土曜日だ。制服なんて着たくない。
「いや、大丈夫。私の上司の少尉は緩さに定評があるから。あと、ここから本部まではワープで行くわ。少尉から許可がおりていてね。普段なら、固定魔法陣が県庁の中にあってそこから日本支部の間を行き来するんだけど……あちらについたら芳樹の為に特別な処置をしていただいた少尉に感謝するように。じゃ、行くわよ」
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