ぼっちだけど魔法軍に所属です。

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美緒はポケットから、直径2mのシートを取り出した。 円型のシートにはよくあるような魔法陣が描かれている。 しかし、ク●ンプのカード系魔法少女に出てくる様な月や星や太陽がかかれていないからちょっと残念だ。 「この上に立って目をつむっていなさい。10秒後に出るから」 いーち♪にぃーい♪さーん♪しぃー♪ごぉー♪ろぉ………… 「ついたわ」 …………はやいよ……美緒。 目の前には二階建ての事務所、回りには木々以外何もない。道路の真ん中に立っているのに、車は一台として来なかった。 「ここは滋賀県のちょっと琵琶湖の近く。本来の固定魔法陣なら支部の中に直行だけと、あなたはまだ外部の人間だから。一応、外にワープしたわ」 なるほど、そこらへんの礼儀というものが魔法の軍の中にもあるのだろう。 それにしても車がないのはなんでだろう。簡単に想像つくのはなにかしらの結界が一般人を寄せ付けてないのだろうが。 美緒が支部の扉を開け、俺を中に招いた。 そして、俺は支部の中に入って驚愕する。 外からの見た目より大きくね? 「おまえは今、見た目より大きくね? ……と言う! ……魔法よ。空間拡大魔法は普通しないけどね。日本はティーリアースと違って土地が狭いから。さ、少尉の所にいくわよ」 そして少尉室と書かれた扉の前につく。 そこまで、結構距離があったのに誰もいなかったのが少し気になった。 「まぁ、うちの少尉は緩いけど。それなりに無礼のないようにね?」 「あぁ、了解している」 美緒がノックして扉を開けて俺に来るようにジェスチャーしたので俺は少尉室に入った。 「あなたが、高井芳樹ですか! うんうん。よい魔法使いの素質をもってますね! わふー!」 「…………何言ってんだこの幼女」 部屋に入っての一発の挨拶がこれだった。 ちなみに美緒は俺の後ろで必死に笑いをこらえていた。 「美緒、なにこの幼女? 皆のクドばかにしたらゆるさんよ?」 「……美緒、もしかして『自分より体の大きい青年には語尾に、わふーをつける』って嘘なの?」 泣きそうな目で幼女は美緒を睨みつけていたが美緒は笑いをまだ堪えていた。 「えと、少尉ですね? 初めてまして。高井芳樹です。それと、わふーはとある幼女キャラが使う感嘆詞です。騙されてますよ、美緒に」
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