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翌日の正午。
俺は自分の部屋のベットの上にいた。
別に土日とかじゃないし、祝日でもない。
理由は簡単。俺が学校をサボったからだ。
昨日あんなことが起こったのに何食わぬ顔で俺が登校できるはずもなく……。
そしてなにより、俺には魔法という新しい玩具が手に入ったのだ。
しばらくは魔法をやっていたかった。
「よし、火の魔法はだいぶ安定してきたな」
この魔法というのは案外簡単なもので、火の魔法と氷の魔法と爆発の魔法なら出来るようになっていた。
火の魔法は昨日やった通り。
氷の魔法は、大気中の冷たい風を一点に集めて纏めて小さくして一気に広げる感じだ。
それで、消しゴム大の氷なら作る事が出来た。
爆発の魔法は火の呪文の応用。
魔法のエネルギーを小さく凝集して、キッカケを与える。
数種類の魔法を会得し、俺は本格的に魔法使いになっていた。
もっとも魔法かどうかはわからない。超能力の類かもしれないが…………。
まだまだ、小さな力だが。この退屈すぎる人生にちょっとした刺激が加わった。
全くラノベじみた出来事だが俺はこういう刺激を心の奥から願っていた。
こんな腐りきった社会で腐らなかった俺へ神様が誕生日プレゼントを下さったのだろう。
いや、俺の誕生日は先々月だが。
とりあえず、俺の興奮状態はいまだ冷める事を知らなかった。
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