地獄の猛特訓①

1/4
前へ
/86ページ
次へ

地獄の猛特訓①

翌日… 昇降口は何も無かったかのように、とてもきれいだった…。 俺が呆気にとられていると… 「オハヨウ~!クマ!」 と、俺を呼ぶ声が… その声には聞き覚えがあった… 俺の小学校からの友人、柴牙友希(しばゆうき)だ… 「オハヨウ!シバ!」 俺は昔からよくしている返事を返した。 俺は通称クマ、柴牙は通称シバ。 結構安直である。 三年に上がる時のクラス替えで、俺はA組、シバはC組で離れてはいるが、かなり仲が良い。 って、別にホモとかじゃないからな! とまぁ、昇降口でしばらく談笑していたのだが… 突然後ろから、「あと五分で遅刻だぞ」と男の声が… びっくりして後ろを振り向くと… 腕に生徒会と書かれた腕章を付け、遅刻者の取り締まりをしている生徒会長、千葉雅樹の姿があった…。 俺は驚いて… 「あ…あぁ」 と、微妙な返事をしてしまった。 すると、千葉の後ろから… 「早く教室に行かないと遅刻しちゃうぞ?」 と、保健室の原田先生がチャーミングな笑顔を振りまきながら近づいて来た。 「はい~!」 と、少しにやけながらも教室に向かう俺達。 今思い返すと、この日が俺の最後の日常だったような気がしてならないな……。 な~んてね・・・。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加