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僕はフェンスにもたれながら溜息を付く。
『しょうがないだろ?好みじゃないんだ。
好きになれそうもない女性と結婚なんてしたくない』
「そのお言葉も聞くのは七回目です。
ですが正一様、いつまでもその言い訳が通用すると思わないで下さいね。
もう二十歳ではありませんか。入江財閥の跡取りとしての自覚をお忘れなく」
渡辺は眉を軽く上げてじっと僕を見つめる。
彼は幼いころから教育係として僕に付いていただけあって、多少手厳しい。
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