欲する事

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子供達の間からそんな関心とも、ただの好奇ともとれる、言葉が漏れた時、子供達をかき分け一人の若い水龍が姿を現した。 「螢蒔、講師中にすまぬ。少々相談いたしたき、事柄があるのじゃ。」 「李狛?どうせ知り合いから押し付けられたものだし、気にしなくていいさ♪で、話したいことって何だ?」 螢蒔は先ほどとは違い少年のような笑みを浮かべ、李狛の側に寄った。 「ここでは、話しづらい故場所をかえぬか?」 他でもない親友の言葉を螢蒔が断るわけもなく、二人は子供達を解散させ、人に邪魔を去れぬ神殿の裏手に場所を移した。神殿には何か祝い事があるとき以外は人はいない、かろうじて見張りの龍がいるのだが、谷の中では誰に警戒する必要もなく、見張りの龍はたわいない話をしながら休憩を取っていた。二人が一言声をかけると見張りの龍は『話が終わったら呼んでください。』といってその場を速やかに去っていった。
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