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強く
ある夜、神殿の裏手に李狛はいた。もちろん美湖も一緒だ。先ほど美湖から大事な話があるといって李狛を尋ねてきた。深夜遅くではあったが、李狛は美湖に言われるがまま家を出て人目のつかない神殿の裏手にいた。
「ここなら、大丈夫誰もこないわよね?」
「この場は昼間でも人は通らぬ、ましてやこのような時刻にに来る者などおらぬよ。」
「そう・・・・よかった♪」
美湖はそういっていつもの笑みとは違いはかなげに微笑んだ。
「それで、いかがいたしたのだ?」
事の真相を早く知りたくて、李狛は先を促した。
「あのね・・・私、純粋な天女じゃなかったの・・・。私ね・・・天女と妖精との間に生まれたハーフだったの。」
「なんじゃと?」
初めて聞く恋人の真実に李狛は言葉を失った。
「隠してた訳じゃないの。私も知らなかったの・・・。でもね、この間舞を舞ってる途中になんか胸が苦しくなって倒れちゃったの。そしたらお母様がね・・・言ったの。『貴方は純粋な天女じゃありません。』ってだからなんなのって私はお母様に聞いたの・・・そしたら、お母様が言ったの『貴方は純粋な天女みたいに長いときを生きることは出来ません。』っていったの私ショックで目の前が暗くなったわ。舞の事や友人より先に死んでしまう事それよりなにより、貴方と一緒に生きられないことがショックだったわ。」
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