プロローグ

2/2
前へ
/18ページ
次へ
樹(いつき)、それがわたしの名前。 ―――時間をかけて高く高く育ち、いつか立派な大樹になりますように。 と、そんな願いを込めてつけられた"樹"という名前。 素敵な名前を付けてくれた父には申し訳ないけれど、その願いは未だこれっぽっちも叶えられていない。 まるで、水草みたいにふわふわ浮いている、ともすれば川に流されてどこかへ行ってしまいそうなわたし。 そんなわたしが 大嫌いだ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加