2nd

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翌日。 普段通りに目覚めて、普段通り学校にやってきた。 …そこまでは確かに普段通りだったはずだ。 変わったのは、朝から放送で呼び出しを喰らったこと。 呼び出された先は、職員室。 呼び出した相手は麻宮先生。 ー職員室 担任の言葉に思わず、は?と聞き返してしまう。 それだけでバツが悪そうにしていた先生はさらに小さくなる。 「なんで俺が転校生の迎えなんか行かなきゃならないんです?」 呼び出された理由は、どうやら転校生がやって来るらしいのだ。 そこはいい。例え時期がおかしかろうが、人には人の事情があるのだから。 しかし何故そこに俺が出てくるのか甚だ疑問だ。 「それで、転校生とは?」 「ああ、うん。今日ね、転校生が三人来るらしいんだよ」 三人も? 「…まあいろいろと事情があるらしくてさ」 俺の顔色を感じ取ったかのように言った麻宮先生も、同様に苦笑いを浮かべていた。 「それで?俺とどんな関係が?まさか」 「うん、そのまさか。その三人、うちのクラスに入るんだよ」 「三人ともですか?」 うん、くじ引きで決まってね。 サラっと職場の裏側を語ってのけた先生。 くじ引きって。まさかクラス変えもそんな適当に決めたんじゃないだろうな。 「だからって何で俺が?」 「あ、それは樟槻( くすき)先生が」 「おうよ」 麻宮先生が指し示すところにはいつの間にか、保健医の樟槻先生が。 どうやっても俺を嫌ってくれない手強い相手。 「またあなたは」 じとっと睨みつけるがヘラヘラ笑う顔に、力が抜けてしまい何も言えなくなってしまった。 「あ、もちろん学級委員長だからってのもあるんだ。片桐くんも呼んだんだけどまた登校してないのかな」 付け足すように麻宮先生が言うけど、もうなんでもいいです。
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