2nd

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「あれ?三人とも何してるの?」 しばらくぼーっと奏先輩の去って行った方を見遣っていると、後ろから頭を一発ずつ俺、悠太、真人の順に軽く小突かれ、聞き覚えのある声に慌てて振り返る。 「に、兄ちゃん?!」 「んー!その驚いた顔もまた可愛いなあ」 つんっ、と揶揄うように額を押され面食らい一歩後ずさる。 この人職場でもこのまんまなの? 唖然としている俺たちを余所に、兄、いや理事長は悠悠と扉を開け中に入っていく。 ほらほら、早く来なさい。 と促されて俺たちも中に入る。 中に入ると、ふかふかとした絨毯の感触が上靴からでも伝わってくる。 靴底の感触に驚いて落としていた視線を上げると、嫌でも目に入ったのは天井で輝くシャンデリア。 なんか恥ずかしい趣味。しかし顔が整っているだけに似合ってしまっているところが腹立たしい。 兄ちゃんの馬鹿、と。周りに聞こえないように小さく呟く。 「ん?なんか言ったぁ?」 「べっつにいー」 「そう?んじゃ、ままっ座って座って」 理事長に促されて、ふかふかソファに三人で仲良く腰掛ける。 「えー。くうちゃんはこっちー」 やかましいわ。くうちゃん、なんてふざけた愛称を人に付けやがったこの人は、残念そうに俺に手を伸ばしてくるがその手を軽く抓って拒否する。 その拒絶にむうと頬を膨らませる様は、とても一つの学園を統べる理事長には見えない。 て言うかアンタいくつだよ。 呆れて引き攣る頬を押さえていると、後ろからそっと手が伸びてきて目の前のテーブルに紅茶の入ったカップが置かれる。 不思議に思い振り返ると、そこには何度か話したことのある、兄ちゃんの秘書さんがいた。 「どうぞ」 「あ、ありがとうございます」 「どもっす」 「いた、だきます」 それぞれがお礼を言って口をつける。 美味しい、とお世辞ではなく本心から呟くと、秘書さんはにこりと笑い、ありがとうございます、と頭を下げた。 .
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