2nd

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「二割が……まあ同性しか好きになれない、興味を持てないって人たちかな。 残り六割が、女性も男性もどっちも好きになれる人」 分かったかな? 首を傾げる兄ちゃんに、まだまだ信じられてないけど、そして戸惑ってもいるけど頷く。 そうすれば、兄ちゃんは、そっかそっか。なんて陽気に笑って紅茶を飲む。 その間も俺と悠太は呆然としている。 いや、なんか驚いたのと勘が外れたのでぽかーんみたいな、さ。 「あの、理事長」 突然、それまで黙っていた真人が口を開き兄ちゃんを見つめる。 「ん?やだなあ、真人くん。いつもみたいに優空でいいんだよ」 「はあ…それじゃ、優空さん」 「はいはい?」 「一つ、聞いても?」 「うん、僕に答えられることなら」 兄ちゃんは大人の余裕を醸し出し、ソファに背を預け足を再度組んだ。 「では直球で。優空さんノーマルですか?」 え?! ホントに直球だな、真人…。しかも、いつもの真人じゃないし。 兄ちゃんは一瞬驚いたような目をするが、すぐに口元に笑みを戻し俺や悠太を見て、 「仕方ない。真人くんには後で個人的に教えてあげようね」 なんてことを笑顔でいった。 「あ、ど、どうも…」 すんなりOKを出されたことに拍子抜けしたのか、言葉が尻窄みになる真人。 あれ?けどなあ、 「俺は?」 「俺も、そう言われるとなんか気になっちゃうんすけど…」 「ええ?二人は、こうゆうのは苦手じゃないの」 こうゆうの、ってことは兄ちゃんはやっぱりノーマルでは無いのかな? 「え?や、俺は兄ちゃんのことだし、別に偏見も無いけど」 「そういうの全然気にしないっすけど」 俺と悠太の言葉に続き、真人もうんうん頷く。 「うーんっ!君たちはいい子だっ」 がばっ!ぎゅっ!と効果音が聞こえそうなほどの勢いで、兄ちゃんは俺たち三人を一纏めに抱き竦めた。 .
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