2011年1月

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 2011.1.9  帰宅すると喜多さんが悶絶してました。 ★☆★☆  「ただいまー」  帰宅の声を上げると電気の着いたリビングから唸り声が聞こえた。 「智春さん?」 「う、うぐぐ~…おか、え…り……」 智春さんはソファーに肘を乗せて床に座っていた。 「どうしたんですか!?」 あわてて顔を覗き込もうとしゃがんでみる。 「は、腹が…脇腹が…………」 そうすると苦しそうに言葉を紡ぐ。 「脇腹が………痛い…………………ぐは」 最後に業とらしく呟いて俯いて震え出す。 「病院行かなくて大丈夫ですか?」 「……………うん」  俯いたまま放ったその声はソファーと彼の頭の間で反響してくぐもった。 ★☆★☆  不謹慎にも。蛍光灯の白い光に照らされたうなじにムラッとしたのは言わないでおこう。今日はそんな日。
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