STORY:1 

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『電車入りまーす。』 一一一一チ-ンチ-ン‥ 先頭にある金色の鐘が揺れる。 赤ん坊を抱えた赤い着物を着た 女の人の後ろに並び、電車に乗り込むと 埃っぽい向かい合わせの椅子に座る。 小さな窓から覗く 何億という星空を眺める。 「何処へ行かれるとですか?」 少し間を開けて座った、赤い着物の女性が 話し掛けて来た。 「僕は、千代に行こうかと…」 「一緒ですね。お見舞いですか?」 「あぁ、はい。友達、心臓が悪くて…」 「…私の子もなんです。と言っても、もう息を引き取ってるんですけどね…」 「………触らせて頂いてもいいですか?」 「はい…」 触った赤ん坊の頬は冷たくも 柔らかかった。 「…お名前は?」 「コウタです。」 「コウタ君…。僕がお見舞いに行く友達も宏太って言う名前なんです、」 「そうですか…。宏太君、はよ元気なるといいですね、」 「…はい、」  
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