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「…まったく、こんな刻まで寝むりこけて。早く起きて洗濯して下さいよ」
「はぁ!?なんで、私が洗濯するんだよ!!」
「当たり前です。ここに置いてあげるのですから、雑用くらいはして下さい」
そう言って大量の着物や羽織りを渡した。
「あなたは掃除をして下さい。ほうきや雑巾はあちらですから」
偉そうに指示するこの男は「沖田」という。
「まったく、人使いが荒いよなぁ…」
文句を言うと、沖田はニッコリ微笑み二人に言った。
「そんな事を言ってもあなたたちは勝負に負けたのですから、働いて下さいよ」
そう言って沖田は水色の羽織りを翻し廊下を歩いて行った。
「はぁぁ…、なんでこんな事になったんだよ…」
二人はお互いに睨み合った。
「…お前が川なんか行くから「お前だって行っただろ!!」
二人は更に睨み合った。
「…腹立ってきた…「はあぁ!?それはこっちの台詞だよ!!」
「やるのか!?俺に勝てるのかよ」
「…望むところだ。今日こそお前をあの世に送ってやるよ!!」
言うとすぐにあるものが顔の横の柱に刺さった。
「ほぅ…。この程度で…」
柱からそれを抜くと軽く微笑み投げ返した。
「ちっ…外したか」
後ろに飛びそれをかわすと
「何やっているんですか!?仕事を増やしますよ!?」
行ったはずの沖田が戻ってきて、黒い笑みを浮かべて立っていた。
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