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「瑠奈ちゃん!お兄ちゃんと遊ぼっか!」
あ、お隣りのお兄ちゃんだ!
「###兄ちゃん!瑠奈ね、滑り台したい!」
うんうんとお兄ちゃんは頷いて私の手をひく。
おっきくてあったかい手―――
眩しいくらいの笑顔―――
少しの時間だけだったけど、私と一緒に近くの小さな公園で遊んでくれた優しいお兄ちゃん。
私はお兄ちゃんのことが大好きだった。
公園に行けばいつでも一緒に遊べると思っていた。
でも、私が小学校に入学すると同時に、お兄ちゃんの姿を見かけることはなくなった。
後からお母さんから聞かされたことだけど――
お兄ちゃんは遠い所に引っ越してしまったんだって。
"だいがく"って所に行くためなんだって。
私は大きな声を出して泣いた。
お兄ちゃんの名前を叫びながら。
「###兄ちゃーーーん!!」
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