初恋の相手

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  俺の初恋の相手は、ピンク色のチュニックがよう似合う、めちゃくちゃかわええ子やった。 今となっては、もうその面影もないけど…。 だらし無く髭を伸ばして、酔っ払って、全裸で。 「とーによぉ~お前も飲めよぉ。」 片手でワイングラスを振り回し酒を勧めるフランシスからは“可愛い”なんて言葉が似合う姿は全く想像できんかった。 「ほらフランシス、もう止めときって。明日も仕事なんやろ?」 「仕事なんかしなぁいもぉーん。マスタァ、ワイン持って来て~。」 こんなんになってもた奴でも、かわええ所はちゃんとあるんやで。 髭さえなかったら、顔はかわええままやと思うし。 全裸にさえならんかったら、酔ったときもなんや甘えてきてかわええ。 それからほら、 「とーにょ、んー…」 こうやって眠そうに目擦る動作も… 眠そう? 「寝たらあかんで!」 「…じゅ、ぷんだけ。」 「あかんあかん!どうせ起きへんやろ!!」 「ん、おやすみー…。」 「コラーーーーーー!!!!」 …………。 ………………。 ……………………。 寝てもた…。 こいつはいっつもこうや! 飲みまくって酔っ払って、暴れるだけ暴れて寝てまう。 その上一回寝たら朝まで起きへんから質悪い。 家までおぶって帰んのは俺やっていうのに。 「ん、ぅ…とぉにょ…。」 まぁ、ええか。 そのかわり、 「そんなかわいい寝顔、親分以外に見せたらあかんで?」 fin.  
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