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『直ぐにつきあいたいって思ってないから。
今日は私の気持ち伝えたかっただけ。
私、いつか塚田君が本気で好きになってくれるまで待つつもりだから!』
その日から、楓は僕に色々と話しかけたり、一緒に帰ったりとした。
自分の好きな歌手や今ハマってる事。
部活で起こった事などを僕に話して楓と言う人物を教えてくれた。
そして、事あるごとに僕の嘘を見抜いてくる。
「今ウソついたでしょ?」とか。
「ウソの顔してた」とか。
何でわかるんだろう。そう思って、一時期彼女はエスパーか何かかと馬鹿げた事を考えてた。
そして日に日に楓の真っ直ぐな性格と言葉に、僕は惹かれていった。
――もっと彼女と一緒にいたい。
そして夏が終わる頃の日――僕は楓に告白をした。
『今度はいやいやじゃなく、本気で君が好きになった。改めて、僕とつきあってください』
初めて、嘘偽りない言葉と表情で、僕は本音を楓にぶつけた。
楓は頬を赤く染めながら、「こちらこそ」と言ってくれた。
それが堪らなく可愛くて――嬉しかった。
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