嘘つきな僕と正直な彼女。

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先生はクルリと椅子を回して体を僕の方に向けた。 そしてジッと僕の目を見る。 「お前、生徒会以外にもクラスの雑用なんかを頼まれるそうじゃないか。 いくら何でも人が良すぎないか? そんなだとみんな調子に乗ってどんどん面倒をお前に押し付けられるぞ。 お前だって迷惑だろう?」 「い、良いんですよ! 家に帰ってもやる事無いですし…。 むしろ嬉しいんです!人の役に立てて。だからぜんぜん迷惑とかじゃないですから!」 笑顔で答える僕を、先生は黙って見る。 そしてまた小さくため息をついた。 「まぁ…お前がそう言うなら、俺も強く言わん。 だが、今日仕事を押し付けた奴らにはキツく叱っとくからな」 「あ、はい…」 「じゃあもう帰っていいぞ。ご苦労さん!」 「はい、失礼しました」 軽く頭を下げて、職員室のドアを開けて職員室を出た。 ドアを閉めた後、僕は大きく息を吐く。 職員室って息が詰まるよな…。何度入っても慣れないや。 「…………」 それより、また嘘ついてしまった…。 何が人の役に立てて嬉しいだよ…。 面倒な仕事を笑顔で引き受ける奴なんているわけがない。 いたらそいつは相当なドMだと僕は思う。 ――頼まれたら断れない。 …………ただそれだけの事だ。
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