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生徒会室の前にたどり着き、ドアに手をかけて開ける。
「あ!蓮やっと来た!!」
「!」
………驚いた。
ドアを開けたら中に彼女がいたからだ。
「楓…何でいるの?」
そう言うと、彼女――有村 楓はムスっと拗ねた表情になった。
「やっぱメール見てないんだ!
部活早めに終わったから一緒に帰ろうって送ったのにー」
「え?」
僕はポケットから携帯を取り出す。
ディスプレイを見てみると、確かにメールが来ていた。
「ごめん…ぜんぜん気づかなかった。
いつから待ってたの?」
「んー…五時かな?」
「五時!?一時間以上待ってんじゃん!!」
よく見ると、楓の鼻は赤くなっていた。
たぶん、ついさっきこの部屋に来たんだろう。
僕は申し訳ないなと言う気持ちになった。
「帰ってくれればよかったのに…」
「……嫌だった?」
楓は少し悲しい表情になった。
それを見て僕は慌てて首を振る。
「い、嫌ってわけじゃ無いよ!
ただ寒かったでしょ?鼻も真っ赤だし」
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