~第一章~

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『よし!これで後はバットとグローブ…』 今日はクラスの友達と学校に集まって野球をする約束をしていた。 水筒に麦茶と氷をつめ、使い込んだグローブとバットを持ち家を出た。 相変わらず合唱する蝉… 昨日の夜、父親に必ず休憩しながら遊ぶように言われた事を思い出す。 学校につきチーム分けをして 『プレイボール!』 夢中で追いかける白いボールと子供達の声… そう、ここは子供達の聖域… 大人達が忘れていったものが学校にはある。 一試合が終了し… 日陰になった栗の木の下でみんなで休む。 ふと校舎に目をやると、誰かが教室にいた。 『なぁ、教室に誰かいる?』 『先生だろ?夏休みでも先生はいろいろやることあるから、来てるんだろ』 知らなかった。 てっきり先生も夏休みなんだと思っていた自分が、少し恥ずかしく…
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