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二階から階段を駆け降り、玄関で靴に履きかえ外に出ると、父親の自転車にまたがり家を後にした。
『七海…』
国道を全速力で走る。
しばらく行くと、白いコンクリート造りのモダンな家が海沿いの丘に見えた。
二階建ての建屋に、大きな駐車場が完備されたこの家が七海の家…
街に一つしかない様なインターホンを押すと、高級な鐘の音が響く。
しばらくすると…
『はい!どなた様ですか?』
七海の声が聞こえた。
『あっ七海ちゃん!勇太だけど』
『えぇ?勇太くん!いま行くね!待ってて』
入り口の扉が開き、笑顔の七海が駆け寄る。
『ごめんな、いきなり来て、今日は予定とかある?』
『いま宿題やってただけだから、大丈夫だよ』
『そっか、じゃあまた堤防で待ってる』
『どうしたの?なんかあった?』
『うん…ちょっと聞きたい事があるから…』
『わかった…』
自転車を押し、脇道を海に向かい下ると、この間七海と釣りをした堤防が目の前にみえる。
海に向かい、防波堤に腰をおろし七海を待った。
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