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潮の匂いが辺りを包み、雲の間から夏の太陽が時折のぞく…
『勇太くん。来たよ』
『ごめんな、勝手に来て、いきなり呼び出したりして』
『ぜ~んぜん大丈夫!気にしないで』
ニッコリ笑う七海。
髪を束ね白のワンピースを着た七海の姿に、なぜかいつもよりドキドキした。
『七海…去年、恭介と別れた時…なんかあいつ言ってた?』
『どうしたの勇太くん、いきなり…』
俯きかげんの七海の横顔は、どこか淋しそうにみえた。
『あんまりこの話ししてなかったから…お互いさけてた所あったから…』
『うん、わかってた。』
『………。』
二度、波の打ち寄せる音が聞こえ七海は話しはじめた。
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