~第二章~

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『勇太くんと別れてから、いつもの様に恭介くんと歩いてあたしの家の前で別れた……それだけ』 思わず七海の顔をみた。 『七海…それだけ?』 『うん…いつもと…何も変わらなかったよ…恭介くん』 二人ともただ無言のまま…海鳥の声を聞く。 『でもね…』 たえられなくなったのか…七海が口をひらく。 『でも恭介君…学校に水筒忘れたって言ってたよ』 『水筒?』 『そう、あの日給食じゃなくお弁当だったでしょ。だから持って行ってた水筒、学校に忘れたって言ってた。』 やっぱり恭介は、あの日学校に戻ったんだ… 運動会は日曜日にあったから、振替休日で月曜日は休み。 恭介は取りに帰ったんだ。そして、誰かに会った。 誰かに…。
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