47人が本棚に入れています
本棚に追加
『勇太くんと別れてから、いつもの様に恭介くんと歩いてあたしの家の前で別れた……それだけ』
思わず七海の顔をみた。
『七海…それだけ?』
『うん…いつもと…何も変わらなかったよ…恭介くん』
二人ともただ無言のまま…海鳥の声を聞く。
『でもね…』
たえられなくなったのか…七海が口をひらく。
『でも恭介君…学校に水筒忘れたって言ってたよ』
『水筒?』
『そう、あの日給食じゃなくお弁当だったでしょ。だから持って行ってた水筒、学校に忘れたって言ってた。』
やっぱり恭介は、あの日学校に戻ったんだ…
運動会は日曜日にあったから、振替休日で月曜日は休み。
恭介は取りに帰ったんだ。そして、誰かに会った。
誰かに…。
最初のコメントを投稿しよう!