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『それって、誰かに話したの?』
『うん。あの事故の数日後、刑事さんが家に来たの。刑事さんには話したとおもう』
『刑事さんなんて来たんだ…なんかテレビドラマみたいだね』
俯いたままの七海の横顔がとても大人っぽく…しばらく、見つめていた。
『勇太くん…あんまり見つめないで…恥ずかしいよ』
その声に我にかえり、慌てて俯き帽子を深くかぶり直す。
照れ臭さに手をひかれるように勢いよく立ち上がる。
『ごめん…。ありがとう。いろいろ聞かせてくれて』
慌てるように自転車に飛び乗り力いっぱいペダルを踏んだ‥
七海と別れた後も、七海の事が頭から離れない…
いまだ赤らむ顔を海風で冷ましながら、全速力で家路についた。
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