~第一章~

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夕食がはじまり、しばらくたつと父親が聞く… 『勇太…見せるものあるんじゃねぇか?』 座布団の下にこっそり忍ばせた通知表を手渡した… 自然と正座になる… 食い入る様に見つめる父。 『まっ、俺の息子にすりゃ上出来だな。勇太の頭は母ちゃん似だな…きっと』 にっこり笑う父親… 分厚い手で大事そうに通知表持つと、奥の仏壇の前に座り通知表を前に置き蝋燭に火をつける。 『母ちゃんもきっと…喜んどる』 母親は勇太を産んだ後すぐに亡くなった… 写真で見る母親はいつも優しく笑い、笑顔で勇太を見つめていた。 夕食の後、久しぶりに父親と風呂に入った。 下手くそな鼻歌と、大きな体に押し潰されそうになりながら、二人だけの夜はゆっくりと更けていった。
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