はじめから決められている

訃報

電話を切った後、タバコを………

寝起きの頭でひたすら考える。

何回も、何回も繰り返す。
(T兄が死んだ、死んだ………死んだ………？死ぬって何だ？)

言葉は理解出来るけど、受け入れられない。

人が死んだ、という状況はわかるけど、従兄が亡くなったという想像が出来ない。

必死に勤務表を見るけど、葬儀に出れるのか出れないのか判断出来ない。

とりあえず旦那に✉で知らせたけど、考えてみればそんな必要はない。

旦那が帰った時には私は家に居るのだし、現実にその夜は夜勤に行かなきゃならない。

(まだ昼だし……)
(ｱﾚ、昨日何時に寝たんだっけ……)
(何時に仕事行くんだっけ……)

(……T兄が死んだ？)

(誰か……)

(誰かに………聞いてほしい……誰かに…話したい…)

「死んだ」と、口に出す、文字にする。

そうすることで自分に言い聞かせる事が出来る気がした。

皆にゲーム内でｺﾒしたりしたのはこの頃。

そして日記に……出来るだけ、簡単に、今知っている事実だけを。

言葉にしたら急に現実味を帯びてきた。