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私は力なく受話器を置いた
窓の外は、私の心とは打って変わって青空が広がっている
それが切なくもあり、どこか虚しかった…
これが現実なのか、
夢なのか…
自分に降りかかったことじゃないような錯覚に陥っていた
「…別れた…の?」
言葉にしても、まだまだ受け入れられない現実…
目が覚めたら、いつものように『おはよう』って、メールが届くような気がしていた
「嘘だよ…って、大好きだよ…って、いつものように…」
そっと目を閉じると、浮かんでくる私に向けるあいつの笑顔
なんだ…やっぱり嘘じゃんか
だって、あいつは笑ってる
優しいあの大好きな笑顔で、私を見てる…
ねぇ、早く『好きだよ』って言ってよ…
静かに目を開けると、青い空が広がっているだけだった
一瞬にして胸が締め付けられる
『…ごめん。』
あいつの最後の言葉が、頭から離れないでいた
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