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いつもの様に玄関のドアを開けると、門の前で幼女が深緑の猫車をかじっていた。
俺は呆気にとられ、同じ光景を見た愛犬の茂吉(もきち・ポメラニアン)はくわえたゴルフボールを落とし、威嚇する訳でも吠える訳でもなくダッシュで家の中へと逃げ込んだ。
「そうかそうか、つまり君はそういう奴なんだな」
廊下の奥で固まるる毛玉にエーミール的軽蔑を投げ掛け、前を向くと幼女が凝視していた。猫車をしゃぶるな。
「こっち見んな」
色々つっこみたかったが、取り敢えず門を開け幼女をナチュラルに蹴飛ばして出勤した。クリーンヒットしたようで、爽快感あふれる蹴り心地と幼女からの疾視を感じた。
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