絶望と天使

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正直、彼女の実力には驚いた。 防御にも攻撃にも隙はない。 はっきり言って、打てない。 それは、相手が女だからなんて理由じゃない。 …単純に勝てないんだ。 力も経験も俺の方が上のはずなのに、勝てない。 どうしてなのか、今だに分からない。 いずれ、分かるか。 「はい、練習終わり」 「白雪の木刀ヒビ入ってるぞ」 指差して見せる。 「ああ、そろそろ替え時かなって思ってたんだ」 「ほれ、新しいの」 「ありがとう」 木刀は、1ヶ月に一本のペースで折れる。 的を打ったり互いに打ち合ったりしていれば、すぐにガタがきてしまう。
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