序章を語る程度の話

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 「神につかえる者でも老いには勝てないのね……」 私が感傷に浸っていると後ろから足音が聞こえた。 「おー、毎月この日はやっぱりいるんだな紫」 振り向くとあの頃より少し成長した萃香の姿がある。 私と萃香は毎月霊夢の命日になるとここに来ていた。 「貴女も宴会で一番絡んでいた霊夢が居なくなったから寂しいのね」 「寂しいなんて事はないぞっ!私には紫も幽々子もいるからな……」 笑ってはいるもののその表情は過去を思い出し感傷に浸っているように見える。 空元気なのは見たらわかるがそこは触れないでおいた。 「そうだ!久しぶりに紅魔館に行こう」 萃香が思い付いたように言う。 霊夢が居なくなってからお墓以外の場所へ足を運んでいなかったので誰かと居ないと悲しさが紛らわせないのだと思う。 「そうね……久しぶりにレミリア達に会うのも悪くないわね」 そう言って私達は紅魔館へ向かうことにした。 霊夢との思い出を語り合っている内に紅魔館に着く。 些細なことでも霊夢との大切な思い出…… あの時ああしていれば、こうしていればと思う事もしばしばあった。 いくらそう思っても霊夢が生き返ることは無い。 思えば思う程にあの時の時間を大切にしていれば良かったと思った。
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