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そして。
煌夜を睨みつけている焔を祓は
「落ち着け。」
となだめて、フッと顔を緩める。
その表情は、優しい。
祓は、焔の顔をゆっくりと挟むと
「一緒に住むのは無理だけど、妖退治は一緒に行こう。」
優しく、諭すように言う。
それを聞いた焔は目を見開き
「でも…」
不安を口にしようとする。
が。
「大丈夫。よっぽど妖の場所が離れてない限り、3人で2ヶ所の妖を倒せばいいだけだろ。」
祓の妙案を聞いて、パッと顔を輝かせる。
「いいの、祓兄っ!!」
さっきまで頬を膨らませていたのはどこへやら。
たちまち機嫌の良くなった焔を見て、祓と煌夜は微笑ましさを感じる。
やっぱり2歳違うと違うなぁ…
煌夜は、生意気な弟が出来た気分で
「これからよろしく、焔君。」
頭を撫でようとする。
が。
威嚇するように睨まれて、伸ばした手を引っ込める。
……まだ仲良くなれないかな。
一方的に睨まれて、ちょっと傷付いた表情をすぐに笑顔に変えると
「もう、妖退治のために寝よっか。」
既に真上から移動した太陽を見て、煌夜はさっきまで祓が寝ようとしていた畳を指差した。
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