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その無謀ともいえる行動に、のんびりと祓と焔の戦いを見ていた煌夜の顔が驚愕に見開かれる。
“祓”
そう言おうとしたのだろう口は、ポカンと開けたまま閉じられることはない。
祓も自分の行為の無謀さと破天慌さに呆れつつも、身軽な自分の体を利用しながら妖に近付く。
妖は、正面から祓を迎え撃つつもりだろうか、避けもせずにジッと攻撃体制のまま祓を待ち構える。
そして一方の祓は、手にした“雷”の符を直接妖に張り付けようと腕を振り上げる。
そして━━
2つの力が、ぶつかった。
ドォン
物凄い音が響き、目の前の妖に集中していた焔までもが、ハッとして一瞬だけだが振り向く。
そして、バッと符を10枚取り出し、妖を囲うように投げつける。
これ自体に妖を滅する力は無いが、封印のような物だ。
本来は味方の防御に使われるものなので、焔の攻撃すらも無効化されてしまうのだ。
しかし。
焔は気にもせずに妖から視線を外すと、まだ土埃のたっている場所を祈るような目で見る。
そして風が吹き、土埃が舞い━━
祓だけが、現れた。
妖はと辺りを見回していた焔は顔にザラッとしたものが降りかかったのに気付き、そっと指にのせる。
そして、それが妖の灰だと気付くと、ホッと胸を撫で下ろした。
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