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柔らかな風が髪を揺らす。
祓は、その空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
今日は気持ちの良い日になりそうだな…
祓はゴロンと畳に寝転び、夜の妖退治のために眠りにつこうとして━━━
ガラガラガッシャーン
もの凄い音に起こされた。
「煌夜!!?どうかしたのか!!!?」
祓は、さっき煌夜が音がした方にいたのを思いだし、声を張り上げる。
昼間だから妖の仕業ではないけど…
怪訝に思いながらも、祓は起き上がって音がした方に足を進める。
「煌夜━━??」
音がしたのが台所らしいなと当たりをつけて、祓は煌夜の名前を呼びながら台所にひょこっと顔を出す。
そしてその瞬間━━
顔面に皿が直撃した。
「つっ…っ!!!?」
間一髪で落ちる寸前の皿を手に掴み、祓は皿の飛んで来た方を見る。
いったい誰だ!!!
しかし。
憤慨しながら見た方向にいた人物の姿を見た祓は唖然として口をポカンと開ける。
「え━━焔っっ!!?」
そこにいたのは、顔を真っ赤にさせて煌夜に皿を投げつける焔と、割れないように皿を掴んでいる煌夜の姿だったのだ。
祓は暫し固まって2人を見続けるが、台所一面に散らばる皿の破片を見て、ブルブルと拳を握りしめる。
何でこうなったのかは知らない。
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