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━━でも。
「いい加減にしろっ!!!皿を全部割る気かっ!!!」
無惨に割れていく皿を見た祓は
キレた。
そして、祓の怒鳴り声を聞いた2人の動きがピタッと止まる。
…特に、焔が。
「ふっ…祓兄っ…!!!こっ…こんにちは…」
慌てたように取り繕うが、足元にある皿の破片がその態度を裏切っている。
「どうしてこんなことになったんだ?」
祓としても可愛い弟を頭ごなしに叱れず━━それも反省しているようなのだから━━なるべく優しく聞こえるように問掛ける。
実際には…青筋のたった眉はピクピク震え、静かな怒りが込められた低い声で問掛けられるのは、思わず畏縮してしまう程怖かったのだけれども。
焔もそれを感じたのか、顔をピキーンと固めたまま
「あー…うー…」
など意味不明な言葉を発する。
汗をダラダラと流し、祓を上目使いで見る姿は、どこか同情を誘うものがある。
だが、怒りで目の前が見えていない祓に効果は無い。
大好きな兄に嫌われてしまう!!!
焔は更に焦って、何とか言い訳しようと口をパクパクさせる。
しかし、何も浮かばない。
頭の中が真っ白になった焔は、とにかくもう一度謝ろうとバッと顔を上げる。
「祓に「煌夜。」」
が。
謝ろうとした矢先に祓によって遮られる。
しかも、話しかけたのは自分では無くて煌夜だ。
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