日常

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煌夜はえっと目を見開く。 俺がやってもちっとも起きなかったのに、とその目が語っていた。 兄弟が揃いも揃って…何か俺に恨みでもあるのか? まぁ…焔君に言わせればあるんだろうなぁ… 煌夜はハァッと小さくため息をついて、こうやって並んでいるのを見るとやっぱり兄弟だな…似てるなぁと思いながら 「祓、もう時間だから行かないと。」 部屋にある時計を指差して、続いてドアを指差す。 祓はまだ目をゴシゴシ擦りながら時計を見て 「…!!!行くぞ!!!」 パッと立ち上がり、符を取り出し、特注のコートをはおる。 そして、コートの裏ポケットに符を次々と入れていく。 このコートは、十六夜家の陰陽師に配給される特別性の物だ。 見掛けはただの黒のシックなコートなのだが、裏には符を入れる裏ポケットがいくつもあり、その素材は耐熱性と防水性である。 つまり。 熱をうけようが水をうけようが、ある程度は平気になっているのだ。 祓はテキパキと用意しながら 「焔!!!」 予備のコートを焔に投げる。 焔も素早くそれをはおって、服のポケットから符を取り出して裏ポケットに入れていく。 念のために、予備として入れておいた物だ。 焔は符を入れ終わると 「今日の祓兄の場所は??」 パタパタと祓に駆け寄ってちょっとオズオズと尋ねる。
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