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だが、純平はそれに対抗するかの様に自分の両手で男の首を強く握りしめる。
右の親指で喉仏をぐいっと押し込む。
男は苦しそうにもがく。
顔はトマトの様に真っ赤になっている。
どうせ今日死ぬなら…
人を1人殺したって…
正当防衛だ。
「本当に殺してよろしいんですか?」
「なにがだ?」
「これじゃ、もし臓器をもらった人があなたが生前人を殺したと知ればどう感じますか?」
純平は財布にしまったドナーカードを思い出した。
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