奇妙

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奇妙

「貴方は誰…?」 少女は戸惑いを隠せなく震える声で呟いた。 『こコは…そうダねェ……あえテいうなラ…地獄に近い場所?カナ?』 「……ッ!」 その何もかもが歪な青年の瞳の中には何が映っているのだろうか、恐怖に怯え、泣き崩れる私の姿があるのだろうか、ただ…その虚ろな眼は何も語らないことだけが私の安心感を全て無くしてしまう様で、怖かった、いや、その瞳自体に恐怖を抱いていた。 「……ッ!?」 『…?』 突然の腹痛と共に彼の眼が光り出した、そう…まるで共鳴するかの如く… 『貴方は…貴方ハコレが欲しいンデスね?』 男が私に向かって手を伸ばしたと思ったその時…! (グチョグチョベチャッベチャネッチュヌェッチュ)右眼に反吐が出そうなくらい気持ち悪い激痛が走った、ショックのあまりに私は気を失ってしまい、気が付くとそこは子供部屋だった「……ハッ!!そうだ…眼」私は子供部屋に在る、小さな玩具の手鏡を震える手で握った、 「な…何?こ…れ…」 そこに映ってたのは白と黒の眼ではなく、深紅に染まった邪気眼だった… 「さっきの男と同じ眼…」 そう呟くと、鏡の中の自分が急にあの男に変わった 「……ッ!?」 『その眼ハ気に入りマシたか?貴方を救う筈でス…』「ちょっ!待っ…」 言い切らない内に鏡の男はサラサラと砂の様に消えていった… カシャン (?) カシャン (??) カシャンカシャン 「何かしらこの音…」 紀沙は妙な音に気付いて、後ろに振り返った、 カシャンカシャンカシャンカシャンカシャンカシャンカシャンカシャンカシャン 「!!」 さっきまで棚の上に在った兵隊の玩具が自ら動いて、こっちに迫って来ているではないか!! しかも兵隊が持ってるのは小さいけど、先が鋭い剣だった。 ポッポーーー ブーン 兵隊を合図にしたかの様に、機関車や天井に吊してある飛行機など次々と玩具が動き出す
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